マヴィ代表・田村安オフィシャルブログ

Organic Wine Specialist

コラム

東京オリンピック会場でアルコールを提供することの意味は?

報道によると、政府は世論の大多数が開催に反対してきたオリンピックを開催するのみならず、感染症の専門家達が出した「開催の場合は無観客が望ましい」、それでも観客を入れるなら「国内イベントよりも厳しい制限を設けるべき」という勧告も無視して、ついには「会場でアルコール飲料の販売を行う」とまで言い出した。

オリンピックスポンサーのアルコール飲料メーカーの権利を守るためだというから、思わず耳を疑ったと同時に怒りが込み上げてきた。

この1年半、飲食業界、宿泊業界はどれだけ苦しんできたか。そして僕たち酒販業界はどれだけの打撃を受けているか。「酒を飲むと誰もが気が緩む。コロナ感染対策を忘れてしまい、危険だ。」酒販業界の人間なら誰もが知っている。この現状は誰もが同じだから受入れてきたのに、オリンピックに金を出したスポンサー企業は別だと言われれて納得できるものではない。

札束で頬をはたかれている。「金を払えない企業に権利はない」というのか。そもそも日本は民主主義の主権国家のはずだ。いつから金権主義独裁国家になってしまったのだろう。

カタール航空機で成田空港に到着後、大阪の合宿地に移動したアフリカの選手団の1人がコロナ感染していたのに、濃厚接触者に移動制限をかけなかったことは何故起きたのだろう。内閣府の役人はプライバシー保護に関わるからなどと、訳の分からないことを話す。

結論は簡単だ。誰も責任を取らないから、こういうことが起きる。そして世界中からどんどんやってくるオリンピック関係者たちが何型の変異株のウィルスを持ち込むか、誰もコントロールすることができないのは明白だし、全国から会場に出向く人の流れを、誰もコントロールできないのも、同様に明白だ。

はっきり言って内閣総理大臣が「国民の命と健康を第一に」というならば、やるべきことは一つ「緊急ブレーキ」しかないはずだ。

ブレーキを踏んで、確実に停まってから安全を確認してアクセルを踏む。小学生でもわかりそうなルールを守れないなら、リーダーはおろか社会人として失格だと思うのは僕だけだろうか。

そしてオリンピックを強行すれば、様々な変異株の感染拡大が続き、社会生活の抑制と経済の停滞も長引くリスクが大きくなるだろう。

日本国民が、ここまで馬鹿にされるのは何故なのか?日本国民の命はどうなってもいいのか?日本経済はどこまでも沈んで行ってもいいのか?どう考えても理解ができない。

この状況下で僕たちができることは何だろう。

  • 選挙では拝金主義者に投票しない
  • 理念に共感できる企業の製品を買う
  • オリンピックは心の中で応援する

そして残念だが、オリンピック期間とその後の危機が続く間は家に籠る。

他の誰かに強制することではないが、僕はそうしようと決めた。

マヴィは小さいとは言っても企業なので、代表の僕が過激なことをブログに書いてはいけないと自制してきたが、今日は堪忍袋の緒が切れた。抑えきれず感情的な文章になったことをお詫び申し上げる。

マヴィ代表 田村安

(2021.6.22)