マヴィ代表・田村安オフィシャルブログ

Organic Wine Specialist

ワインと料理のマリアージュワインに合う料理レシピコラム

コロナ禍だけどフランス料理を食べたい|ハムとキャロットラペ、簡単おうちごはんでビストロの味

ブルゴーニュのシャペルさんコロナ感染

先週、ブルゴーニュの生産者シャペルさんから近況を知らせるメールが届いたのだが、その中に気になる内容がさらりと書かれていた。

「1月初に家族全員がCOVID(コロナ)に罹ったが、今はもうよくなった。」

人影のほとんどないサントネー村       (2014年1月撮影)

シャペルさんの住むサントネー村の面積は10.36km²、人口856人。人口密度82人/㎞²で東京の15,345人/㎞²と較べるまでもなく過疎地、三密はない。実際、シャペルさんのお城の周囲も殆ど人影を見ることがない。

コロナ禍が始まってからのこの2年、ボアソー先生(*)と電話で話すといつもコロナの話題になるが、「パリは酷いけど田舎は大丈夫だ」と言っていたので、まさか三密のない過疎の村に住む生産者さんが罹患するようなことにはならないと高をくくっていた。毎日数十万人もの新規感染者が出ているフランスだから不思議ではないのだが、サントネー村のような過疎地でも免れないのかと、認識を新たにせざるを得ない。

シャペルさんのメールには詳らかに触れられていないが、家族全員が罹って、すでに回復したというのだから、感染力が猛烈に強いが症状は比較的軽いと言われるオミクロン株だ。年齢的には僕と同年代なので、重症化しなかったのはワクチン接種を受けていたからか。

(*)ボアソー先生はマヴィ創業以前からの友人でワイン選定の協力者

シャペル家

ブルゴーニュで19世紀から続く名家で、サントネーやムルソー、シャサーニュモンラッシェ、アロース コルトンなどに畑を持つ。

遅れる日本のブースター接種

2回のワクチン接種だけではオミクロン株から身を守れない。ブースター接種が必要というが、日本の接種率は先進国中最も低い。

東京の人口密度を考えると、罹患リスクは過疎地ブルゴーニュのサントネー村の比ではない。実際に日々の新規感染者は東京だけで2万人を超えてきたし、検査が追いつかないどころか、軽症者には検査をしないというのだから、本当の数字はその数倍と聞く。もはやフランスと大差ない。

換気ができなければ空気殺菌

空気感染の域に達しているオミクロン株。マヴィ赤坂店ではウィルスの空気感染リスクを低減するため、自作の空気殺菌設備を5基稼働させている。作り方も公開しているので、参考にしてみて欲しい。

大阪のメーカーさんから、僕のブログを読んでこの空気殺菌機を製品化されたとの連絡をいただいた。製造が追いつかないくらい反響があるらしい。

コロナ禍だけどフランス料理を食べたい

ハムとキャロットラペにマスタードを添えて

ハムに【食材に魔法をかけるマスタード】を載せた一品      (2022年1月撮影)

買ってきたハムにキャロット・ラペとセロリを添えただけの皿、フランスの一般家庭の食卓で普段よく出る「おうちごはん」だが、「ONZE」泉シェフの【食材に魔法をかけるマスタード】を載せただけで、一流ビストロの一品に変わった。

おうちごはんでフレンチを手軽に味わうには、レストランのシェフが手作りしたソースを添えればいい。今日はシンプルな料理(?)なので、比較的シンプルなイエローマスタードにした。

食材に魔法をかけるマスタード

食材に魔法をかけるマスタード(イエロー)

食材に魔法をかけるマスタード(ミックス)

僕は箱から注いだプロヴァンスのヴァールロゼを合わせたが、パンにバターを塗ればブルゴーニュのシャルドネも美味しく飲める。

キャロット ラペはフランス人の日常食。スライサーで千切りにしたニンジンにワインビネガー、塩、オリーブオイルを振りかけて混ぜ合わせる。あっという間にできるフランス料理だ。彩りが欲しかったので、ピーマンを湯通し千切りにして合わせてみた。マスタード粒を一緒に口に含むとピチピチも加わり新鮮な食感。

田村安

マヴィ代表
著書の「オーガニックワインの本」(春秋社刊)でグルマン・クックブック・アワード
日本書部門2004年ベストワインブック賞を受賞
フランス政府より農事功労章シュヴァリエ勲章受勲
ボルドーワイン騎士Connétablie de Guyenne