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今日も美味しく、楽しく、気持ちよく――未来につながる日々の暮らし

【第71回】飛び込んでみる、やってみる

徳島・神山町からお届けする、美味しく、楽しく、気持ちよい「未来につながる日々の暮らし」

徳島県神山町に在住の長谷川浩代さん。自然豊かな神山での生活や、ワインと楽しめるおいしい食の話など…定期的にこのスペースで色々なお話を聞かせて頂きます。今回は2023年初めての投稿。赤坂店の自由が丘移転を受け、長谷川さんの赤坂時代の思い出と自分自身で物を作るということについての話題です。何かをやろうと思うきっかけや夢中になるタイミングは意外な所に転がっているかもしれません。[月2回更新]

■2023年、赤坂店移転~新たな1年の始まりに寄せて

2023年になりました。いいお天気のお正月でしたが、皆さんはどんな風にスタートされましたか?
私は今年は久しぶりに実家に戻って箱根駅伝など見ながらの三が日を過ごしました。昨年から続く戦争が一向に終わる気配を見せなかったり、世界中でインフレが起きていたり、世の中の状況としては決して明るいとは言えない話題も多いですが、新しい年を迎えて気持ちも新たに、まずは自分を整え、そして自分を囲む人たちが明るく笑顔でいられるように過ごしていきたいものですね。

昨年12月の半ばすぎには雪が降りました。クリスマス前は神山は全然だったのに、徳島市内は吹雪というとても珍しい日もありました

年末で赤坂店が幕を閉じ、1月11日に新たに自由が丘に店舗を構えると聞き、赤坂で過ごした時間を思い返しています。社員として役員として、お客様とお話したり、スタッフのみんなとテイスティングをしたり、ディスプレイについて考えたり、会議をしたりしたあの空間。そしてマヴィを離れてからも、1年に1回イベントで毎年たくさんのお客様と時間を過ごしたあの空間がもうないのだと思うと寂しくはありますが、辞めて10年も経てば社会も変化して、それに応じて会社も変化するのも当然ですね。
それに店舗がなくなってしまうわけではなく、自由が丘に装いも新たにオープンするのだから、むしろ新しい店舗に行く楽しみができて喜ばしいことですね。次回東京に行く際には、必ず訪問できるようスケジュールしたいと思います。

田村社長はヨーロッパで暮らした期間が長いこともあり、また生来自分で何かを作ることがとてもお好きだからなのだろうと思いますが、赤坂店をオープンする際も、ショップの棚はある程度まで加工してもらった杉板を長野から送ってもらって、最後は自分で店で仕上げたり、照明などを設置したりと自分でできる造作はかなりの部分を手作りで進めていました。

そして一番驚いたのが手作りのワイン庫です。思えばあの時(2004年末から2005年年明けあたり)私は初めて断熱材というものを目にしていたのだなあと思います。今ではいかに断熱するかが家を快適にするポイントなので、とても大事な存在です。田村社長は「ワインをキープするための倉庫は手作りで作る!」と来る日も来る日も店舗に通い、空間を囲って断熱材を壁・床・天井と敷き詰め、その中に大型のスチール棚を設置し、ワインショップとしての在庫が十分に保管できるサイズのしっかり断熱されたワイン庫をコツコツとDIYで完成させていたことを思い出します。

当時の私は知人のフランス人たちがことごとく、セルフで家を改修したり、プールを作ったり、新しく家を建てたりもしていたので、「フランス人って、本当に何でも自分たちでやってすごいなあ。」と思っていたものの、自分自身はDIYにさほど興味もなく、知識も技術もゼロだったので、なんの役にも立てず、荷物を運ぶくらいしかしていませんでした…。だから、今回の自由が丘店でも同じようにDIYで進めておられるのをインスタグラムなどで拝見し、近くにいれば今だったらあれこれ手伝えたのになあ(そしてそれを楽しく張り切ってやれたのになあ)ととても残念に思っています。

■思わぬ出会い、やったことないをやってみる!

10年も経つと、社会も会社も変わるけど、個人も(私のことですが・笑)大きく変わるものですね。当時の私は、自分が「うーん、ここに棚をつけたいな」と思って、どうするか考えて、寸法を測って、製材所に行って材料になる木を買って、必要な部材を揃えて実際に自分で棚を取り付けるようになるなんて、思ってもみなかったですから。

本棚が欲しくて、デッドスペースを有効利用して玄関に設置しました

以前こちらで紹介したようなことをやってみようと思い立つなんて、逆立ちしたって考えられなかったですから。そういう意味では周りの影響は大きいし、やってみる機会があることはとても大事だなと思います。私の場合、神山に来てからはそもそも地元の方々は何でも自分でする人が多く、移り住んできた人の中にも、ものづくりに関わる人や自分でやってみたい人、やれる人、そして道具などについても詳しかったり、持っている人も多く、また家自体も改修の余地のある家を借りたこともあり、必然的に取り組んでみる機会に恵まれました(引っ越しの際に、寝室とキッチンの壁は友人に手伝ってもらいつつ、自分で珪藻土を塗りました)。

一般的に考えても、興味があることはチャレンジする可能性も高いけれど、興味のないことはなかなか手を出す機会さえないものです。でも、全然興味のないことでも機会があったらとりあえずやってみるってとても大事だなと経験から強く思います。DIYも、去年始めたグリーンウッドワークも、ほんの試しに始めてみたら「私これ好きかも!」になったものだから。

チャンスの神様はいつもいつも自分の前を通り過ぎていると言いますね。それをつかむのも、素通りさせるのも自分次第だと。新しい年、興味あることはもちろん、興味のないことも、誘われたり、偶然機会がやってきたら首を横に振らずに試しにやってみませんか?
それが自分の一生の楽しみにつながるかもしれませんし、新しい自分を知ることにもなるかもしれませんよ。

ある日のブランチ。自分でかれこれ9年培養しているヨーグルトを添えて。

(2023.01.25)

長谷川 浩代 プロフィール

京都出身。南フランスの人口130人の小さなコミュニティにあるバイオダイナミック農場民宿での体験から、オーガニックな暮らしを日本に伝えるため、マヴィ株式会社にて12年余りヨーロッパと日本を行き来しつつ過ごす。

2013年8月より徳島・神山町に移住、同12月に友人のカフェビストロ、Café On y va をオープン時から共に運営。

(2020年春より、ビストロはB&B On y va & Experienceに)

現在は農園作業に勤しみつつ、料理の提供、料理教室、執筆などを手掛けている。



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