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今日も美味しく、楽しく、気持ちよく――未来につながる日々の暮らし

【第12回】「自分が変わると景色が変わる」

徳島・神山町からお届けする、美味しく、楽しく、気持ちよい「未来につながる日々の暮らし」

徳島県神山町に在住し、人気のビストロ「カフェ オニヴァ」改めB&B On y va & Experienceにて体験講座を担当したり農園作業に勤む長谷川浩代さん。自然豊かな神山での生活や、ワインと楽しめるおいしい食のことなど…定期的にこのスペースで色々なお話を聞かせて頂きます。今回は新たな生活スタイルを通しての気づきとソロカヴァにぴったりアクアパッツァのレシピです。[月2回更新]

■新生活で得られた自然の見え方

 いよいよ夏本番、毎日暑いですね。山あいで平地に比べれば成長が遅めの神山町の田んぼの稲も既に穂を垂れてくるところも出てきました。晩稲を6月の半ばに植えた私たちの田んぼはゆっくりと、でも着実に成長を続けています。柿の実も大きくなり、薄い緑が鮮やかな栗のイガも目につくようになってきました。こんなに夏真っ盛りな毎日ですが、暦の上では立秋も過ぎ、自然界は秋の準備を始めています。

穂を垂れてきた米

 暮らし方や時間の使い方、またそれに伴う自分自身の関心の変化によって、目に映る景色や行き交う人の動き、立ち止まって確かめたくなること、気になることなどがこんなにも変わるのだなあと感じています。毎日たわわに実ってくれているトマト。どのタイミングで緑からオレンジがかった赤、濃い赤になっていくのか、毎日朝に夕にと見ていて明らかに変化しているのだけれど、その変化の瞬間を見届けられることは永遠にない(あ、今赤に変わった!っていう瞬間は目に留められないですよね)この不思議。
大きくなるのも色づくのも細胞レベルの変化だから私たちの目に止まらないのは当然なのだけれど、一方で奇跡としか思えない変化です。あんな小さな粒だった種が、土と水とお日様だけで姿を変え、大きくなり、花が咲いて、やがて実も結ぶなんて。昨日こんなだったのに、いつの間に?と日々姿を変える自然の様子には驚くばかりで、気になることがどんどん増えていきます。

黒大豆の花が咲いてきました(可愛らしい花ですね!)

 皆さんの畑やそこに植わっている野菜たちも、とても気になるものの1つ。同じ野菜を植えているのに既にあんなに大きくなってる!とか、支柱の立て方や株と株との間隔なども参考になることがいっぱい。
ご近所の皆さんにしても、車で走っていて見かける方にしても、草刈りに精を出される姿がすごく目に入ってくるようになりました。(自分がやってなかったときはこんなに気にならなかった…)こういうタイミングで皆さん草刈りされるんだなというのも何となく見えてきました。梅雨の前後、お盆の前の時期など、そもそも手入れされているお家はいつも綺麗なのですが、より一層短く刈られてすっきりしています。これまで何となく目にしていた光景も、どんな風にとか時期とか、使っておられる道具とかが気になるようになりました。もちろん翻って自分たちも頑張らないと!という気持ちにもなります。

青い柿の実(葉っぱで分かりづらいですが空がキレイです♪)

 飲食店を運営していたときは、夕方以降の景色を目にできるのはお休みの日だけ。だから、同じ季節のことでも夕方以降の景色はほとんど記憶になく、今年になってこの谷間にはこんな風に夕日の景色が広がるんだなとか、夜の帳が下りるあの何とも言えない美しい色合いとか、どっぷり夜ではない、昼から夜に移り変わる瞬間の空気感などを新鮮な気持ちで味わっています。
 フランスで長期間を過ごした最初の年、のちに毎年お世話になることになる山の家にまだ行ったばかりの頃、ある少女が毎日毎日飽きもせず夕焼けの絵を描いていたことを思い出します。自然の中で毎日過ごすような生活が初めてだった当時の私は、「何で毎日同じ絵?」って思ったのですが、山の家での時間を積み重ねていく中で、彼女には私の目には全く映っていなかった毎日の色の変化や雲の形、山の稜線との境目なんかが見えていたのだろうと納得したものです。同じ夕日なんて一度もないですものね。違う生活習慣の中で別のものを見ていた目や感覚が山の家に通っていたときのような感じになってきたように思います 。

夏の夕焼け

■カヴァでバースデーパーティ

 6月の終わりから8月にかけて、チームオニヴァメンバーのバースデーが続きます。先日もそのお祝いで集まった際に、ソロのカヴァとスペインオムレツを作って持って行きました。本人の希望で、野菜のグリル、アクアパッツァとライスコロッケが用意されたテーブルでオープンしたのですが、想像よりもボリューム感があって、とても満たされる感じ。どのお料理もよく合ってみんなのグラスの進み具合もとても良かったです。

新鮮な魚介たっぷり!アクアパッツァ

 イタリア料理でおなじみのアクアパッツァはとても手軽に、ワインとの相性が大変良い調理法なのでぜひ試してみてください。用意するものは、お魚(タイやスズキ、カサゴなどがおすすめ。できれば1匹丸ごとが美味しいし、見た目も華やかです)、あさり、ニンニク、トマト、たまねぎ、白ワイン、オリーブオイルと塩、こしょう。あとはお好みでパセリ、ズッキーニ、オリーブなど加えてください。お魚は内臓を取り出し、水気を拭いて軽く塩こしょうしておきます。深めのフライパンにオリーブオイルと潰したニンニクを入れて熱し、たまねぎを入れて炒め、そこに魚を入れます。魚の周りにあさりとトマトを入れ、白ワインを振り入れ蓋をして、魚に火が通ったら出来上がり。仕上げにパセリやバジルなどを飾って香りと彩りを添えましょう。
 食べる際にもう一度オリーブオイルを少しかけるとカヴァとの相性がさらによくなります。ああ、また食べたくなってきました。泡がひときわ美味しく感じる夏の間にぜひお試しくださいね。

ライスコロッケとも!

(2020.08.19)

長谷川 浩代 プロフィール:
京都出身。南フランスの人口130人の小さなコミュニティにあるバイオダイナミック農場民宿での体験から、オーガニックな暮らしを日本に伝えるため、マヴィ株式会社にて12年余りヨーロッパと日本を行き来しつつ過ごす。2013年8月より徳島・神山町に移住、同12月にカフェビストロ、Café On y va をオープン。現在はビストロからB&B On y va & Experienceに改め、体験講座を担当したり農園作業に勤しんでいる。食だけではない、楽しくて面白くて気持ちのいい空間と時間を創造すべく、仲間たちと日々活動中。 

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