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今日も美味しく、楽しく、気持ちよく――未来につながる日々の暮らし

【第54回】体の癖を知る

徳島・神山町からお届けする、美味しく、楽しく、気持ちよい「未来につながる日々の暮らし」

徳島県神山町に在住の長谷川浩代さん。自然豊かな神山での生活や、ワインと楽しめるおいしい食のことなど…定期的にこのスペースで色々なお話を聞かせて頂きます。今回は体の不調を治す方法について。対処療法とはまた違う、自分のクセを知って、無理がない、自分にぴったりの治療に行きついたお話です。丁寧に体を観察する時間を惜しまず治す。人との出会いも大事のようです。美味しい話題、飲み頃1Lロゼとミートパイのマリアージュも[月2回更新]

■色々な治療方法はあるけれど

桜の季節は瞬く間に過ぎ、また今度は別の色の花が開き、新緑も美しくなってきました。汗ばむような陽気が続いたと思ったら、その後には雨が降り、その雨と高い気温で植物も草も爆発するような勢いです。鶏たちも農園中を駆け巡って、地面を蹴って、突いて、春のエネルギーを存分に受け取っているよう。そしてそれを眺める時間は本当に平和そのものです。

今、イチゴが大変美味しいです

2018年の終わり頃、突然右膝に激痛が走り、しゃがむことやそこから立ち上がることがとても不便になりました。
一度レントゲンを撮って診てもらったところ「加齢によるもので仕方がない」という診断。それ以来接骨院に通ってみたり、よいと言われる整体の方を紹介してもらって行ってみたり。夏場は体が温まることもあってか痛みは少しマシなのですが、冬ともなると寝返りを打つたびに痛みで目が覚めるほどになっていました。
整形外科に行くと、やはり最初と同じ診断で、「歳を取ったらある程度誰にでも起きることです。むしろ劣化しない方が変なんですよ。2週間薬を飲んで、それでよくなればよし、無理だったらヒアルロン酸を注射しましょう」と言われる始末。
でも私は「それは違う、、、」と半ば怒りに近いほどの大きな違和感を感じ、処方された薬も受け取らないまま家に帰りました。

平和な時間をくれる鶏たち。奥にはだいぶ大きくなってきたおちびさんたちの姿が。

■ちゃんと体を観察し、自分に合う方法で

なぜなら、仮に薬や注射で一時的によくなったように思ったとしても、私自身の生活や体の動かし方が変わらなければ、また再発するのは火を見るより明らかだと思ったからです。しかも私は問診票にそうしたことを事細かに書いて自分の希望する治療(薬ではなく、正しい体の動かし方の指導やリハビリを中心にお願いしたい)を伝えたのですが、それについては一切無視で、なんなら私の膝を2秒と診察することもなく、「はい、また同じ症状の人ね」という感じのまるで流れ作業。そしてそうならなざるを得ないほどの夥しい数の患者さんがずっと待っている待合室。
申し訳ないけれど、この人に治療してもらうことは不可能だと思い帰ってきました。そこからもまたあっという間に数ヶ月が流れ、でもいよいよ夏でも痛みが取れず、これはまずいと思うように。もう痛みを背負っているのがデフォルトになっていました。車から降りる時も慎重に痛みが最も少ない方法を探しつつ、椅子から立ち上がる時も恐る恐る。誰の目にも「足が痛いんだなあ」と見えていたと思います。

筍も掘りました。今まさに旬

そんなある日、スポーツトレーナーをしている元理学療法士の方で、私のような体の不調を持っている人も診てくれるらしいという人につながることができました。ずっとそんな人を探していたけれど、いつ頃からかもうそんな人はいないんだと諦めていたように思います。治療の初日、痛みで何度叫んだかわかりません。それは痛い膝を庇って異常に突っ張っていた部分を押されたからです。

でもそこがほぐれた途端、右膝の痛みは嘘のように激減したのです。骨や筋肉を知り尽くしたその人には、「ここがこうなっているということは、きっとあそこがこうなってるはず」ということがちょっと見たり、触ったりしただけでわかるんですね。その後2週間に1回のペースで通っていくのですが、その都度足首や骨盤、股関節、さらに上半身と治療箇所が移動していきました。そして治療が進むにつれ、私自身が体の違和感や自分の姿勢のおかしさ、立っている時の足の位置に問題があること、車のアクセルとブレーキを踏んでいるときの足の力の入れ方などなど、驚くくらい、左右の動きやすさや可動域の違い、姿勢、不安定さなどに気づくようになったのです。
そして、周りの人もびっくりするくらい私は普通に動けるようになり、走ることさえも全く不安なく、痛みもなくできるようになりました。歳取ったら当たり前、みたいにお医者様に言われて、もう一生この痛みと生きていくのか…と、どこかで諦めかけていたけれど、痛みの原因は体の癖のはず、と信じて諦めなくて本当に良かったと思います。3年くらいずっと我慢していたものが、数ヶ月で痛みのない体になれたんです。もちろん薬は内服も湿布なんかも一切使用していません。
対症療法ではなく、根本的な原因にアプローチすることで痛みを取り除いているので、自分が体の使い方を意識していれば再発しづらくなります。体が思うように動くことは何にも変えがたい大切なことだから、こんな風に体を診てくれる信頼できる人と出会えたことに本当に感謝しています。

■飲み頃ロゼワインとミートパイで春のお祝い

春の訪れを祝うのにぴったりの、春のいちごのように爽やかで愛らしいオーストリアのロゼが届きました。このワインを初めて仕入れた時の造り手の紹介に、「初夏にその年初めて川に足をつけたような、そんな爽やかさのあるワイン」というような表現がされていた記憶がありますが、甘酸っぱいいちごのイメージと瑞々しい果実味がこれからの季節に本当に嬉しい1本です。しかも1L入りでお買い得。

ミートパイには春のにんじんと菜の花を添えて

わいわいとみんなで飲むのに持ってこいです。今回はちょうどお客様が来られることもあって、ミートパイに合わせてみました。ジューシーなお肉と濃厚だけどサクサクしたパイ生地に、この爽やかなワインは実にいい組み合わせ!ソースもたっぷりの野菜とトマトを煮込んで潰したものなので、見た目よりずっと優しい味わいなんです。パイシートのお世話になればミートパイもあっという間なので、ぜひ気楽に試してみてくださいね。

満開の桜です

オーストリア

プロヴァンスのオーガニックワイン

LW ツヴァイゲルト

オーストリアで人気のぶどう品種「ツヴァイゲルト」を使用したロゼワイン。フレッシュな果実味が印象的なキュートな1本です。

(2022.04.27)

長谷川 浩代 プロフィール

京都出身。南フランスの人口130人の小さなコミュニティにあるバイオダイナミック農場民宿での体験から、オーガニックな暮らしを日本に伝えるため、マヴィ株式会社にて12年余りヨーロッパと日本を行き来しつつ過ごす。

2013年8月より徳島・神山町に移住、同12月に友人のカフェビストロ、Café On y va をオープン時から共に運営。

(2020年春より、ビストロはB&B On y va & Experienceに)

現在は農園作業に勤しみつつ、料理の提供、料理教室、執筆などを手掛けている。



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