EUオーガニックワイン製造規定

欧州委員会 施行規則 No.203/2012 2012年3月8日

オーガニックワインの詳細規定に際して、理事会規則(EC)No.834/2007の施行に関する詳細規則(EC)No.889/2008の改訂

欧州委員会は、
欧州連合の機能に関する取り決めを考慮し、
オーガニック生産とオーガニック製品表示に関する2007年6月28日の理事会規定(EC)No.834/2007(1)と、特に第19条(3)の第2項、第21条(2)、22条(1)、第38条(a)、そして第40条を考慮し、

一方、

  • 規定(EC) No 834/2007、特に第3巻第4章は加工食品のオーガニック生産についての基本的な要件について規定している。これらの基本要件の施行に関する詳細な規則は、2008年9月5日付理事会規定(EC) No 889/2008によって制定されているが、これはオーガニック生産、表示、検査に関するオーガニック製品のオーガニック生産と表示についての理事会規定(EC) No 834/2007の施行に関する詳細な規則を規定したものである。(2)
  • オーガニックワイン生産に関する特別な条項は、規定(EC) No 889/2008において規定されるべきである。これらの条項は2007年12月22日付理事会規定(EC) No 1234/2007の中で言及されるワイン部門の生産に適用されるべきである。(EC) No 1234/2007は農業市場の共通の組織、またいくつかの農産物に関する特別の要件を定めている(Single CMO Regulation)(3)
  • オーガニックワインの製造は、添加物や加工助剤として、厳密に定義された条件のもと、ある種の製品や物質の使用が求められる。この目的のため、また「オーガニックワインブドウ栽培とワイン醸造:オーガニックワイン品質改良のための環境と消費者に優しい技術開発と科学に基づく法的なフレームワーク(Orwineとしても知られる)」に関するEU域内研究の推薦に基づき、これらの製品や物質の使用は、規定(EC) No 834/2007の第21条に従って許可されるべきである。
  • ブドウ製品カテゴリー、醸造の実践、そして適用される制約に関する理事会規定(EC) No 479/2008の施行に関する詳細な規則を定めた(5)2009年6月10日付委員会規定(EC) No 606/2009のもと、醸造の際に添加物そして加工助剤として使用されるある種の製品や物質は、農産を起源とする原料由来のものである。この場合、原料は市場において、オーガニックの様式で入手可能であるかもしれない。市場における要求の発達を促進する目的で、オーガニック農業産の原料由来の添加物や加工助剤の使用が優先されるべきである。
  • ワイン生産に関する実践や技術は、欧州連合レベルでは、規定(EC) No 1234/2007に定められている。そしてその実行規則は、ある種のワイン部門製品の原産地保護と地理的表示、伝統的表現、表示とプレゼンテーションに関する理事会規定規定(EC) No 479/2008(6) の施行に関する詳細な規則を定義した2009年6月14日付委員会規定(EC) No 607/2009と規定(EC) No 606/2009に定められている。オーガニックワイン製造において、これらの実践や技術を使用することは、規定(EC) No 834/2007で定義されている目的や原則、特に規定(EC) No 834/2007の第6条に言及されているオーガニック食品の加工に適用される特別な原則に合致しないかもしれない。それゆえ、特別な制約や制限が一定の醸造の実践や過程において定義されるべきである。
  • 食品の加工で広く使用されている他の実践は、ワイン製造においても使用可能である。またそれはオーガニック製品のある本質的な特徴やそれゆえ、その本来の性質にある種の効果を与えてしまう可能性があるが、現在のところそれに変わる大体となる技術はない。これには、熱処理、ろ過、逆浸透、そしてイオン交換樹脂の使用があてはまる。結果として、これらの実践はオーガニックワイン製造者が使用可能であるべきであるが、その使用は制限されるべきである。熱処理、イオン交換樹脂と逆浸透については、一定期間の後、再検討の可能性が予見されるべきである。
  • オーガニック製品の本来の性質に関して、誤解を招く恐れのある醸造の実践や過程は、オーガニックワイン生産においては除外されるべきである。オーガニックワインの本来の性質に関して誤解を招きかねないという点で、以下に挙げる醸造上の実践が、製品の構成要素を著しく変貌させるときにあてはまる。低温による凝縮、脱アルコール化、物理過程による二酸化硫黄の除去、電気透析、そして陽イオン交換体の使用。それゆえ、これらの物質はオーガニック醸造の実践や加工の段階で、使用されたり、添加されるべきでないとして規定されるのが適切である。
  • さらに具体的に亜硫酸塩に関して、Orwineの研究の結果、オーガニックでないワインに認められている最大二酸化硫黄を含有しているものと比較して、オーガニックブドウで造られたワインにおける二酸化硫黄量の削減は、欧州連合におけるオーガニックワイン生産者によって既に達成されている。それゆえ、オーガニックワインに関して、特別に二酸化硫黄の含有量を定めることは適切であり、オーガニックでないワインにおいて認められているレベルより低くなるべきである。二酸化硫黄の必要量はワインのさまざまなカテゴリーやワインの固有の特徴、特に糖の含有量に応じ、オーガニックワインに特化した二酸化硫黄含有量の最大値を規定する際に考慮されるべきである。しかしながら、極端な天候条件によって、一定のワイン生産エリアでは、困難が生じ、その年の最終生産物の安定を確保するためにワイン生産の段階で余分の量の亜硫酸塩を使用する必要に迫られるかもしれない。よって、このような条件が起こった場合は、最大二酸化硫黄含有量の増加が認められるべきである。
  • ワインは、賞味期限の長い製品であり、ワインによっては市場に出る前に、伝統的に樽やタンクで数年間貯蔵されるものもある。1991年6月24日付オーガニック農産物の生産と農産物ならびに食品に関する表示についての理事会規定(EEC) No 2092/91(1)の条件の下、またある一定期間規定(EC) No 889/2008に従って、その規定に従った要件に基づくラベル表示を維持してこれらのワインを販売することは、ストックがなくなるまで認められるべきである。
  • 貯蔵ワインの中には、この規定によって規定されているオーガニックワイン生産に関する規則に既に従ったワイン製造過程を経て生産されたものもある。これが証明できれば、この規定が効力を持つ前と後に生産されたオーガニックワイン間の公正な比較と競争を可能にするために、2010年7月1日より「EUのオーガニックロゴ」と呼ばれている規定(EC) No 834/2007の第25条(1)で言及されている欧州委員会のオーガニック生産ロゴの使用は認められるべきである。もしそうでない場合は、そのワインは、EUオーガニックロゴの貼付はなく「オーガニックブドウから生産されたワイン」としてのみ、ラベル表示が許される。つまり、そのワインはこの規定が改定される前の規定(EEC) No 2092/91と(EC) No 889/2008に従って生産されたワインである。
  • それゆえ規定(EC) No 889/2008は、適宜修正されるべきである。
  • この規定に規定される条項は、オーガニック生産に関する定例委員会の意見に従っている。

この規定が採用された。

第1条

規定(EC) No 889/2008は、下記の通り修正される:

【1】Ⅱ編は下記の通り修正

  • 第27条(1)において、導入の文章は下記の通り置き換える

「規定(EC) No 834/2007の第19条(2)(b)の目的のため、以下の物質のみがオーガニック食品の加工において使用可能である。ただし、ワイン部門の製品は除外する。ワイン部門の製品については、第3章aの条項が適用される」

  • 新しく第3章aが挿入される

「第3章a ワイン製造に関する特別な規則」

第29条b

範囲

  1. この章は、理事会規定(EC) No 1234/2007(*)の第1条(1)(1)において言及されているワイン部門の製品のオーガニック生産に関する特別な規則を規定する。
  2. この章に明確に規定されていなければ、委員会規定(EC) No 606/2009 (**) と(EC) No 607/2009 (***)が、適用される。

第29条c

ある種の製品と物質の使用

  1. 規定(EC) No 834/2007の第19条(2)(a)の目的のため、ワイン部門の製品はオーガニック原料から生産されるべきである。
  2. 規定(EC) No 834/2007の第19条(2)(b)の目的のため、この規定の付則VIIIaに挙げられている製品および物質のみがワイン部門の製品の製造のために使用することができる。それには規定(EC) No 1234/2007 と(EC) No 606/2009、そして特にその規定の付則ⅠAにおいて規定されている条件や制約のもと、加工と醸造の実践の間も含む。
  3. この規定の付則VIIIaに挙げられ、アステリスクでマークされているオーガニック原料由来の製品と物質は、可能であれば使用すべきである。

第29条d

醸造の実践と制約

  1. 第29条cと本条項のパラグラフ2~5に規定されている特別な禁止事項や制約を侵害することなく、規定(EC) No 1234/2007第120条cと120条dそして(EC) No 606/2009の第3条、5条、9条、そして11~14条とその付則に規定されている制約を含む、2010年8月1日までに使用された醸造の実践と加工、処理のみが許可される。
  2. 以下に挙げる醸造の実践、加工、処理は禁止されている。
  3. 規定(EC) No 1234/2007の付則XVaセクションB.1の(c)で指摘される冷却を解した部分的凝縮
  4. 規定(EC) No 606/2009の付則I Aの8で指摘される物理的処理による二酸化硫黄の除去
  5. 規定(EC)No 606/2009の付則I Aの43で指摘されるワインの酒石酸安定を確実にするための電気透析処理
  6. 規定(EC) No 606/2009の付則I Aの40で指摘されるワインの部分的な脱アルコール化
  7. 規定(EC)No 606/2009の付則I Aの43で指摘されるワインの酒石酸安定を確実にするための陽イオン交換体を使用した処理
  8. 以下に挙げる醸造の実践、加工、処理は以下の条件の下、認められている。

(a) 規定(EC) No 606/2009の付則I Aの2で指摘される熱処理に関しては、温度が摂氏70度を超えないこと。

(b) 規定(EC) No 606/2009の付則I Aの3で指摘される不活性ろ過物質を使用する/使用しない遠心分離、あるいは、ろ過については、細孔の大きさは、0.2マイクロメーターより小さいものでないこと。

4. 以下に挙げる醸造の実践、加工、処理の使用については、2015年8月1日になるまでに欧州委員会によって、段階的に廃止もしくはさらに厳しい方法という観点で再検討される。

(a) 規定(EC) No 606/2009の付則I Aの2で言及されている熱処理について

(b) 規定(EC) No 606/2009の付則I Aの20で言及されているイオン交換樹脂について

(c) 規定(EC) No 1234/2007の付則XVaのセクションB.1(b)で指摘される逆浸透について

5.規定(EC) No 1234/2007もしくは(EC) No 606/2009において規定された醸造の実践、加工、処理に関して、2010年8月1日以降に導入された修正はいずれも、規定(EC) No 834/2007の第19条(3)に規定される生産規則、また必要に応じて、同規定第21条に従った評価工程の施行に関して必要な規準が採択された後に限り、オーガニック生産において適用可能となる。

(c)第47条は以下の通り修正される:

(i)第一パラグラフに、下記ポイント(e)が追加される:

(e)最大量までの二酸化硫黄の使用は、当該収穫年の例外的な気候条件により、ワイン生産者が通常に匹敵する最終製品を得るために、過去数年間よりも多い量の二酸化硫黄を使用せざるを得ないほど厳しいバクテリアや細菌の攻撃があるため、特定の地理的エリアにおいてオーガニックブドウの衛生状態が損なわれる場合、規定 (EC) No 606/2009の付則ⅠBに従って決められるべきである。

(ii)第2パラグラフは以下に入れ替える:

管轄当局の承認により、個々の関係者は上記の例外の使用に関する書面的証拠を保持しなくてはならない。加盟国は、第1パラグラフのポイント(c)および(e)のもと許可した例外について、お互いならびに委員会に通知しなくてはならない。

【2】V編は下記の通り修正

(a)第94条(1)に、以下のポイント(d)を追加する:

(d)承認から1ヶ月以内に、第47条の第一パラグラフのポイント(c)および(d)のもと、加盟国によって許可された例外

(b)第95条において、パラグラフ10aは下記の通り置き換えられる:

10a ワイン部門の製品に関して、パラグラフ8に言及される移行期間は2012年7月31日に失効する。

規定(EEC) No 2092/91もしくは Regulation (EC) No 834/2007に従って、2012年7月31日までに生産されたワインの在庫は、在庫がなくなるまで、以下の表示要件を満たした上で、市場で販売を続けることが可能である。

  • 2010年7月1日より「EUオーガニックロゴ」と呼ばれる、規定(EC) No 834/2007第25条(1)に言及される欧州委員会オーガニック生産ロゴは、ワイン生産過程が、この規定のⅡ編第3章aに準拠していれば、使用可能である。
    • 「EUオーガニックロゴ」を使用する生産関係者は、オーガニックブドウから得られたワインが市場に出されて少なくとも5年間は、ワインのカテゴリーごとに、また年ごとに、該当するワインのリットル数を含む書面での記録された証拠を残さなくてはならない。
    • 本パラグラフポイント(b)に言及される証拠がない場合、そのようなワインは、この規定のⅡ編第3章aに規定されている部分を除き、この規定の要件に準拠していれば、「オーガニックブドウからできたワイン」と表示しても良い。
    • 「オーガニックブドウからできたワイン」と表示されているワインは、「EUオーガニックロゴ」を付帯してはならない。

(3) 新しく付則VIIIaが挿入される。そのテキストはこの規定の付則の中に置かれる。

第2条

この規定は、EU官報において、公表された3日後に効力を発する。

これは、2012年8月1日より適用される。

この規定は、全加盟国において全体的に直接適用が義務付けられるものである。

2012年3月8日ブリュッセルにて

欧州委員会にむけて

委員長 José Manuel BARROSOEN

付則

付則VIIIa

第29条cに言及されるワイン部門のオーガニック生産において使用もしくは添加が認められる製品および物質

規定(EC) No 606/2009付則I Aに従った処置のタイプ 製品もしくは物質の名称 規定(EC) No 1234/2007 と(EC) No 606/2009に定義される限界と条件内の特定要件と制約
ポイント1:通気・酸素供給目的での使用 空気
気体状の酸素
 
ポイント3:遠心分離とろ過 パーライト
セルロース
珪藻土
不活性ろ過物質としてのみ使用可
ポイント4:不活性空間を創出および製品を空気から隠蔽する目的で使用   窒素
二酸化炭素アルゴン
 
ポイント5,15,21:使用 酵母 (1 )  
ポイント6:使用   第二リン酸アンモニウム
チアミン塩酸塩
 
ポイント7:使用   二酸化硫黄
亜硫酸水素カリウム
メタ重亜硫酸カリウム  
規定(EC) No 606/2009の付則I BのパートAのポイント1(a)に言及され、残糖分が1リットルあたり2gを超えない赤ワインについての二酸化硫黄の最大量は、1リットルあたり100mgを超えないこと。
規定(EC) No 606/2009の付則I BのパートAのポイント1(b)に言及され、残糖分が1リットルあたり2gを超えない白とロゼワインについての二酸化硫黄の最大量は、1リットルあたり150mgを超えないこと。
その他すべてのワインについて、2010年8月1日付規定(EC) No 606/2009の付則I Bに従って適用される二酸化硫黄の最大量は、1リットルあたり30mg減らされること。
ポイント9:使用   醸造学的使用のための木炭    
ポイント10:清澄   食用ゼラチン (2 )
小麦もしくはエンドウ由来の植物プロテイン(2 )
アイシングラス (2 )
卵白アルブミン(2 )
タンニン (2 )  
 
  カゼイン
カゼイン塩カリウム
二酸化ケイ素
ベントナイト
ペクチン分解酵素  
 
ポイント12:酸性化を目的とした使用 乳酸L(+)酒石酸  
ポイント13:脱酸を目的とした使用 L(+)酒石酸
炭酸カルシウム
中性酒石酸カリウム
炭酸水素カリウム
 
ポイント14:添加 アレッポ松脂  
ポイント17:使用   乳酸菌    
ポイント19:添加 Lアスコルビン酸    
ポイント22:泡立ちの目的で使用   窒素    
ポイント23:添加 二酸化炭素    
ポイント24:ワインの安定化の目的で使用 クエン酸    
ポイント25:添加 タンニン(2 )    
ポイント27:添加 メタ酒石酸    
ポイント28:使用   アカシア ゴム (2 ) (= アラビア ゴム)  
ポイント30:使用   酒石酸水素カリウム    
ポイント31:使用   クエン酸(第二)銅  
ポイント31:使用   硫酸銅   2015年7月31日まで許可  
ポイント38:使用   オークチップ    
ポイント39:使用   アルギン酸カリウム  
規定(EC) No 606/2009付則IIIポイントA(2)(b)に従った処理のタイプ 硫酸カルシウム “vino generoso” もしくは “vino generoso de licor”にのみ可  

(1 ) 個々の酵母株について:もし可能であれば、オーガニック原料由来のもの
(2 ) 入手可能な場合、オーガニック原料由来のもの

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