オーガニック農業が拡大するフランス

出典:notre-planete.info 2015年2月19日

オーガニック製品は、今やすっかりフランス人の日常生活に浸透している。今年フランス人の90%がオーガニック製品を消費したが、これを支えているのは、より健康的で環境に優しい食品を好む傾向がより強まっている消費者の、オーガニック製品への強い信頼である。フランスがもしオーガニック製品の供給不足という問題を抱えているとすれば、オーガニック製品の生産量は今後ますます増加し、オーガニック農業の成長によって従来の農業に比べより多くの雇用機会が創出されることになるだろう。

<フランスにおけるオーガニック製品の消費量の増加>
2015年1月に発表されたBIO/CSA協会の最新指標調査によると、オーガニック製品を購入するフランス人の数は増加しており、さらには、”より頻繁に”購入する傾向が強まっていることがわかった。2014年度には、フランス人の88%がオーガニック製品を”少なくとも時々”は購入したと回答しており(2013年は75%)、そのうち10人に6人が、”定期的”に、つまり、”最低月に1回”は何かしらのオーガニック製品を1種類購入した(2014年は62%、2013年は49%)と回答している。オーガニック製品を買うことは、今やフランス人の習慣的な購買行動となっており、2003年時点ではオーガニック製品を”購入したことがない”消費者が46%もいたが、現在は12%にまで減少している。

注記:オーガニック製品を好む消費者の平均継続購買期間は現在7年に達しているが、これは彼らの強い信頼を示していると言えるだろう。オーガニック業界初の試算値によると、急増するオーガニック製品の消費量は2014年度に500万ユーロ(外食を含む)に達した。これは、全ての販売チャネルを含むオーガニック業界全体の成長率の10%に相当する。

<オーガニック製品:フランス人が持つプラスのイメージ>
困難な状況の中でもオーガニック製品の消費者のより健康的で環境に優しい製品を選択するという姿勢は変わらない。彼らのうち92%が、オーガニック製品を引き続き購入あるいは、今後6ヶ月以内に購入額を増やすことを検討していると回答している。これは、フランス人の言う”持続可能な発展”を購買の意思決定にとりいれること、の重要性に対する意識が高まっており、それが購買行動に直接反映した結果だと言えるだろう。実際にかれらの88%が、環境に優しい製品あるいは持続可能な製品を優先して購入すると回答している(2013年は66%だった)。

加えて、オーガニック製品の知名度が上がるに従って、消費者はますますオーガニック製品の良さを認識するようになっている。前出のBIO/CSA協会指標調査によると、オーガニック製品に対してフランス人は、環境に優しい(87%)、健康に良い(87%)、味が良い(84%)、食べて楽しい(77%)、期待がもてる(77%)、という印象を持っていることがわかった。

結論:自宅以外の外におけるオーガニック製品の需要が大変強い。87%の親が、学校でのオーガニック製品の使用を希望しており(2013年は68%)、フランス人の78%がレストランにおけるオーガニック食材の使用に関心があると述べている(2013年は54%)。

最後に、多くのフランス人がオーガニック農業を統制する諸原則についてかなり高い知識を持っていることがわかった。フランス人の88%が遺伝子組み換え生物の使用禁止について、86%が製品規格の詳細について(2013年は78%)、83%が動物保護と家畜飼料に関する必須条件について、そして77%が組織的に年一回行われる検査に関して同意している。

<フランスにおけるオーガニック生産量の増加>
このような消費者需要に応えるように、フランスのオーガニック製品の生産量は著しい増加傾向にあるが、一方で、供給量は未だ不十分で、市場自体も未熟である。
オーガニック関連業者の数は、2013年から2014年の間に4%増加し39,400となったが、オーガニック用耕作農地は、フランスの農地面積(SAU)の3%強に相当するわずか110万ヘクタール(2007年の2倍)ほどしかない。
オーガニック機関(l’Agence BIO)が管轄する国立オーガニック観測所の推計値による
と、オーガニック農業生産者の数は、2007年から2012年の間に倍増した後、2013年から2014年にかけては4%増加し、2014年末現在26,478軒となっている。
また、フルタイムと同等の雇用者の数が、フランスの総農業雇用者数の7%以上に相当する63,500人以上に達し、従来農業よりもより多くの雇用がオーガニック農業によって創出されている。
同様に、川下産業における加工業者数も増加傾向にある。対前年比(2013年)で3%増加しており、2014年末現在、オーガニック分野で登録された加工製造および卸業者は13,000に達した。

<大型または中型店舗の青果物に集中する消費量>
消費レベルでみると、2015年初時点で消費者が購入したオーガニック製品は、79%が青果物、58%が乳製品、48%が油やパスタ、米などの食料品、45%が卵、45%が飲料類、33%が精肉、30%がパンという結果となった。
消費者の80%が主に大型または中型店舗でオーガニック製品を購入すると回答しており、その消費額はフランスのオーガニック製品全売上の約半分に相当する。また、消費者の25%が市場の約3分の1を占めるオーガニック専門店で購入し、消費者の20%が市場の29%を占めるオーガニック農業生産者から購入していることがわかった。

<オーガニック食生活がもたらす良い習慣>
オーガニック製品を好む消費者の39%が、オーガニック製品を購入し始めてから購買習慣、食生活および料理方法に変化があったと述べている。具体的な変化は下記のとおり:
季節の食材を買うようになった 67%
新鮮な食材の占める割合が増えた 62%
無駄使いや廃棄物の量が減った 57%
しかしながら、オーガニック業界が機能するようになるまでにはまだ先は長い。
実際、多くの卸業者(専門業者または専門でないに関わらず)は、季節感のない旬の食材ではない商品を販売したり、地域の特産物や良識を省みないような製品を輸入している。さらには、過剰に凝った包装をされてる割には容量が少ない上に法外な値段が付けられているオーガニック製品が、数えきれないほど多く存在している。とは言え、少しの距離をおいた客観的な見方と専門知識を持つことでオーガニック100%の食生活を送ることができる可能性は十分にある。もちろん、破産することなしに!

注記:第12回Agence BIO / CSA指標調査は2015年1月実施。2015年1月22~28日にオンラインによる定量調査が、18歳以上かつフランス人口を代表する(性別、年齢、世帯主の会社など社会組織で属する役職区分、居住地域および大きさに関して)フランス人(フランス在住者)500人を対象に実施された。
フランスの農地面積(SAU)は約2900万ヘクタールとなり、これは国土全体の約半分
(54%)に相当する。

翻訳:Yoshiko Waseda

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