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国連での高官レベル会議におけるチャールズ皇太子のメッセージ

去る2012年4月2日、国連ニューヨーク本部にて、高官レベル会議「幸福と健康:新たな経済規範の定義」が行われました。その際、ご出席が叶わなかったチャールズ皇太子からメッセージビデオが寄せられました。その内容がチャールズ皇太子のホームページにも掲載されていますが、前回の「食の未来会議」におけるスピーチに引き続き、今回のメッセージビデオの内容もボランティアの大畑 恵里さんが翻訳をしてくださいました。

「食の未来会議」のスピーチがギュッと凝縮されたような内容になっています。ぜひ、お目通しください。

メッセージ本文(英語)はこちらから、ご覧になれます。

<概要>

ブータン王国の提言で国連が主催した「幸福と健康」についての高官レベル会議。この会議は、どうしたら現在の世界経済システムがより持続可能なものとなるかに焦点を当てている。国の政策のなかに組み込むことができる、幸福を基礎とする経済モデルに必要な評価基準、会計、金融メカニズムを特定するために、専門家を招いて議論する。この会議は、ブータンが68カ国の支援を得て提出し、国連総会において全会一致で採択された国連決議 A/65/L.86に準じて開催された。この国連決議では、持続可能な幸福と健康の推進を目的とする「ホリスティックな開発へのアプローチ」を各国に求めている。

<チャールズ皇太子のメッセージ>

みなさま、このように非常に重要な会議で、一言申し上げる機会をいただいたことを大変うれしく思います。ビデオニュースでの参加になりまして恐縮ですが、少なくとも私のカーボン・フットプリントを減らすことができたと思います。幸福と健康を核とした新たな経済パラダイム(規範)の必要性について、各国代表の集まる高官レベル会議で議論されることは非常煮心強いことです。

 

ブータン国王とブータン首相におきましては、世界が経済的成功と成長を測るのに用いてきた従来の方法に対して、勇敢に挑戦されていることは誠に感謝に堪えません。2月にブータン首相がおっしゃったように、波風を立てるのは厳しいことですが、これは起こさなければならない波です。同じように、長年のあいだ私自身も波風を起こしてきました。21世紀の私たちは数々の困難に直面しており、世界的に受け入れられたGDPという成功や利益を測るシステムでは、政府や企業、他の団体が正しい決定を下すための正しい情報を提供できないと感じたからです。私たちの地球が危機的状況に達したということは厳然たる事実です。行動するための時間はどんどん残り少なくなっています。私たちは、汚染、限りある資源の過剰消費、壊滅的な気候変動リスク、前例のない深刻な財政赤字、70億に達した今も増え続ける人口問題という「パーフェクトストーム」に直面しています。現在の世界人口を養うことさえできていないのに、2050年には世界人口は90億人になると予想されています!

 

ジョセフ・スティグリッツ教授は、GDPに関する彼の優れた報告書のなかで、こう書いています。「GDPで経済と社会を導こうと試みている人々は、信頼できる方位磁石も持たないで針路を取ろうとするパイロットのようなものだ。行動基盤となる測定基準が、設計の悪い、あるいは良く理解できていない中途半端なものであれば、ほとんど盲目と同じである」

 

人間は、ベストの状態であれば、善を求めるものだと私は信じています。しばしば考えられているのに反し、全体的に見れば、人類は社会のためにベストなことをしたいという欲望によって動かされています。厄介なのは、私たちの物の見方が、少なくとも200年続いた経済パラダイムによってひどく片寄っていることです。この経済パラダイムは、問題を一つずつ分離して解決しようとする傾向にあります。一つの活動の産出量を最大化することよって生活をより簡単にする、この点のみに集中していた私たちは、それがすべてに、ひいては私たち自身に及ぼす影響に対して、危険なほど近視眼的になっています。

 

この視野を改善するためには、経済や社会全般に対して地球の生態系がもつ価値についての正しい情報、また、私たちがすること/しないことの社会的・環境的・経済的コストについてのもっと正しい情報を得ることが必要です。

 

これを得ていない私たちは、情報のほんの小さな一部分だけを見て活動しており、それゆえに、経済成長の促進か、環境保護の推進か、人間幸福と健康の増進かのうちのいずれかを選ばなければならない、というような錯覚に陥っています。経済的成功の方策に、環境の持続可能性と社会の幸福が適切に融合されれば、このような錯覚が間違いであると気づくようになるでしょう。

 

これが理由で、私は2004年に、重要なことを測り、肝心なことを考慮できるようになるために「持続可能性プロジェクトのための会計」を設立し、昨年、このプロジェクトの大事な最初の一歩として、ビジネス界、投資家、国連、これが重要だと思うあらゆる人たちと共同し、「国際総合報告枠組み」の提案を開始する手助けをしました。

 

この枠組みは、現在決定されていることと将来の結果のつながり、また地球環境の制約をますます実感するであろう21世紀の現実を反映しています。私たちが将来にわたって繁栄していくためには、やり方を変えなければならない、という認識がますます高まりつつあります。企業や政府がひとりで行動することはもはや不可能です。正しいパートナーシップの発展と、 国際・国内・企業レベルで明確で測定可能な目標を提供することによって、私たちが進むべき正しい方向を照らす小さな光を灯す会計への世界的アプローチを構築できるでしょう。

 

先月、私の国際持続可能性ユニットによって、著名な科学者、経済学者、研究所、各国政府代表を集めた会議が開催されました。会議の目的は、エネルギー、水、気候変動の制約を考慮しつつも、フードセキュリティーのために広範囲にわたる経済分析の開発を進めるよう、諸国を支援するプログラムについて総意を得ることでした。明確で正確な会計枠組みは、この支援プログラムや、それと同様に持続可能な経済成長への移行のための仕事を支えるのに不可欠となります。

 

経済成長、社会的公正と富、環境の持続可能性を包括する測定枠組みを創造すること、同時に、地域社会、国、国際レベルで、ビジネスと政府に共通する行動目標を提供することは、明らかに気が遠くなるほど骨の折れる仕事です。しかし、私たちが幸福と持続可能性を基盤とする新たな経済パラダイムを開発するのであれば、これは無視したり押し付けたりできない大変重要な仕事です。

 

ブータン王国がこのビジョンを実現しようと尽力されていること、そして、政府、国連、学術界、市民社会、精神団体からこれほど多くのリーダーたちが、今日ここに集結し、重要な諸問題を議論されていることに大きな喜びと称賛の気持ちで胸がいっぱいになるのです。

 

ネイティブ・アメリカンの諺にあるように、「私たちは、この地球を先祖から受け継いだのではなく、子供たちから借りている」のです。もし私たちが、先のない世界に子供や孫たちを閉じ込めておいて、カギを捨てるようなことをするつもりはないなら、行動しないという選択肢はあり得ないのです。今日のみなさんの議論が、私たちが直面しているおびただしい困難に取り組むうえで、重要で実践的なステップになることを信じてやみません。

 

翻訳:大畑 恵里さん

※この翻訳は、大畑さんのご好意によりシェアをしていただいたものです。転載などをご希望の方はお手数ですがご一報ください。





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