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オーガニック情報アーカイブ

ドイツ ミュンヘン:オーガニックへ関心示す子どもがさらに増加

ドイツ・ババリア地方の州都ミュンヘン南東に位置するRamersdorf地区にある青少年向けの農園で栽培される作物は、オーガニックだ。この都市農園は、ミュンヘンで開催されるイベント、Tollwoodとミュンヘン市環境健康局が共催する“Organic for Children”(子どもたちのためのオーガニック)というプロジェクトに参加した。


さらに、ここ2年以内に栽培された作物を、完全にオーガニック転換した実績をもつ。“Organic for Children”はとびきり素晴らしい成功を収めてきたのだ。このプロジェクトの生みの親は、オーガニックを使用したケータリング サービスを供給する Epos Bio-Partner Süd だ。
Tollwood とミュンヘン市環境健康局の合弁事業である試験プロジェクト“Organic for Children” は 2006 年 5 月にスタートした。このプロジェクトの目的はミュンヘン市の幼稚園や各学校に在籍する子どもたちに提供する食べ物を完全にオーガニックだけでまかなうことだ。オーガニック転換のための呼び水となる2年予算はミュンヘン市内の29企業に割り当てられ、今後2年間に渡って、合計 450,000 ユーロ(約6,050万円)以上の事業支援を行う。つまり、2000名以上の青少年に食事を提供する27団体で使用する食材をオーガニック転換できるのだ。2009年末までに、支援を受けた企業の半数がオーガニック認証を受ける見通しである。その後は、オーガニック認証済み企業は、例えばランチの提供価格を上げるなどして、オーガニック食材にかかる費用を自社財源でまかなう。
“Organic for Children” は幼稚園や学校への食事提供に関する問題を議論するきっかけとなった。2007 年 7 月にミュンヘン市議会での決議を受けて、市立の全幼稚園および保育園で提供される全食品の50%を、2010年までにオーガニック食品に転換させる運びとなった。ニュルンベルグ、フライブルクやブレーメンのような都市は、さまざまな受賞を受けたミュンヘン市の取り組みへ、既に関心を寄せている。都市在住者の健康を確保するねらいで、世界保健機関 (WHO) は“Organic for Children”に健康都市賞“Green Apple 2007”を授与した。また、ミュンヘン市の環境賞も獲得し、最近では、2008年9月にドイツの“The Frankfurt Prize for Catering”(フランクフルト ケータリング賞)を受賞している。
2008年5月に発表された中間決算によると、オーガニック食材を使用したケータリングにかかる費用の平均上昇率は、一食あたり32セントで、コスト上昇はたったの16%ということになる。したがって、“Organic for Children”に参加する企業は、一食当たり1ユーロまでという補助金額をゆうに下回るコストパフォーマンスを実現している。調理師チームによって調理を行う組織が、コスト面では最も効率的とされ、一食あたり以前よりも平均9セントの増加だ。保護者が交代で調理を務める組織では、それよりも多少のコストがかさみ、調理師の大部分はオーガニック食材を使いこなす必要がある。金額にすれば、平均上昇額は84セントだ。ケータリング サービス以外のコスト上昇額は、53セント以内だった。
いつでもサービスを提供できることから、事業を開始した当初は、Ramersdorfの青少年向け農園近くに位置する中等学校の生徒たちは、温かい状態のランチが提供されていた。この農園では現在、大人と子どもを対象にしたオーガニック料理レッスンを毎週開いている。オーガニック転換を図るプロセスで、経営面にも変化が現れた。例えば、より効率的なコスト計算を実現し、農園で収穫された農産物をさらに効果的に使用している。その結果、オーガニックランチにかかるコストの初期増加額を 1.67ユーロ(約224円)にとどめるとともに、一食あたりのコストを平均0.60ユーロ(約80円)削減した。これは、65%のコスト削減を意味する。前述したEpos Bio-Partner Süd GmbHの協力もあり、この青少年向け都市農園では、直近2年以内にケータリング食材を完全にオーガニック転換した。
9歳から14歳にかけての12 〜15 名の子どもたちは、月平均で150〜160食程度のケータリング供給を受けている (ただしランチと生鮮食品に限る)。ケータリングサービスは毎日行われているが、学校組織を管理する部署と協力してオーガニック食品を児童生徒に供給するというアイディアは、2008年にとん挫してしまった。人員の問題によって、そこが実際に青少年向けの農園であったとしても、公共の場での十分な監督が行き届かないのだ。それ以降は、料理教室 “Basics Cookery Club” (お料理基礎入門クラブ。週末に開催されることが多い) が毎週開催されるようになった。子どもたちと保護者は、健康的な栄養摂取の基本や取り組みについて学ぶ。“Organics for Children”プロジェクトが終了しても、料理クラブは、Ramersdorf の青少年向け農園への理解を深めるためのプログラムの核として存続する予定である。また、オーガニック転換への補助金の剰余分で購入した土製オーブンを活用して財源をまかなうとともに、オーガニック料理教室やパン教室でもこのオーブンを有効活用する見込みだ。
補助金の剰余分が発生したこのプロジェクトに、大人も子どもも非常に夢中になって参加していた。“Organic for Children”によって、剰余金は石製オーブンを購入する費用に充てられた。このオーブンは石と土でできていて、学校の授業やイベントなどで必要な場合には、オーガニック食品を調理するのに活用される。オーブンを購入してもまだ残金があるため、オーガニック転換を図る他の組織を支援する目的で活用される予定だ。
この青少年向け農園はオーガニック転換にあたり、Epos Bio-Partner Süd GmbH の支援を受けた。卸売事業を展開するこの企業は、10 年以上にわたって認証オーガニック農法で生産された食品を供給してきた。また、財政およびノウハウの両面からオーガニック転換を支援する取り組みも行なってきた。
教育メソッドや調理法については、この農園はミュンヘンの Aktionswerkstatt G’sundheit (MAG’s) から協力を受けた。オーガニック食品に関する会計監査はゲッティンゲンの the Gesellschaft für Ressourcenschutz が担当した。
Münchner Kinder- und Jugendfarm e.V.という認可慈善団体が所有するRamersdorf青少年農園は、農園として設立され、すべての青少年が利用できる。また、この施設は社会教育学を習得したスタッフによって運営されている。農園での作業を通じた教育上の目的は、社会性や個人的な技能を伸ばすこと、環境意識の啓発、家族や社会環境の不完全性がもたらす不利益を補うことである。農地面積は約 3,500 平方メートルだ。個性を伸ばし、将来の職業への選択肢を広げるねらいで、さまざまな農業実習を行っている。
この記事についての詳細はこちらでご覧下さい。
www.tollwood.de/mensch-umwelt
www.muenchen.de/biostadt
www.jugendfarm.org
Organic-Market.Infoより
http://www.organic-market.info/



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