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フランス:ビオコープ、店舗数は300以上に

フランスのBiocoop(ビオコープ)の数は増加し続け、いまや合計313店舗を数えるまでになった。同社本部によると、今年新たに30店舗を構える予定だ。ビオコープ全店舗における2008年の売上は3億9,000万ユーロ(約524億1300万円)に達した。前年比27%の増加である。
Organic-Market. Info は、2008年8月パリ東部にオープンした小売面積300?の、オーガニックを取り扱う魅力的なスーパーマーケット “Le retour à la terre”(大地に帰ろう) を取材した。


「この店を開店できて、大変光栄に思います。」有名なペール・ラシェーズ墓地近くに位置するこの店でオーナーを務める Catherine Chalom は話す。オーガニック商品は分かりやすく陳列され、既に一日に300人を超える客がバラエティ豊かな食べ物を求めて、来店している。8,000アイテムを在庫し、食料品や自然化粧品だけではなく、環境にやさしい紙製品やオフィス用品をはじめ、 Tシャツ、布オムツ、タオルなどの天然繊維製品、アウロ社製塗料、ペット・フード、ガーデニング用品も取り扱っている。
フィリップ=オーギュスト大通りは交通量の多い主要道路で、“Le retour à la terre”を徒歩で訪れる客はほとんどいない。近くに他の商店があまりないからだ。主にオフィスや住宅がこの地域全体に立ち並ぶが、およそ幅20mのウィンドウのおかげで、行き交う自動車の中からでもこの店を簡単に見つけられる。
自動車産業から転職した48歳のChalomは、彼女が望んでいたこの場所を見つけるまで、1年以上も最適な物件を探し続けてきた。ちなみにスーパーができる前は、自動車販売店があったという。Chalom は、現在、このビオコープ・スーパーで14人を雇用している。
量り売りコーナーはパリで最も充実した品揃えで、砂糖、小麦粉、シリアル類、米、豆類、コーンフレーク、その他フレーク類、ドライ・フルーツやナッツなど100品以上を、ほしい分だけ自分で量って購入できる 。
さらに、包装材を削減しているため、顧客がより安く商品を購入できるとともに、環境に配慮したシステムといえよう。「25kgずつ袋詰めされた商品をよく仕入れます。そうすれば、もちろん、包装された場合よりも安くなるからです。お客様は必要な分だけを紙袋に詰めて行かれます。」と、同組合取締役の息子である23歳のDavid van der Vlist は話す。この販売方法を導入することで、商品によって、10%から30%も価格を抑えられる。「ほしい分だけ量り売りしているから、他のスーパーで出回っている品と同じ価格でオーガニックを買えるわ」と詰めたばかりの5つの袋に満足そうな顧客は話す。
販売戦略として、ビオコープは50品目の価格を一度に半年間下げると宣伝している。 “La Bio, je peux” (オーガニック、もちろん)と銘打つキャンペーンは、その名の通り、オーガニックはすべての人のものであることを意図している。同組合で扱う商品のうち、およそ8割がパリ南部の町 Saint Geneviève de Bois の卸売部門から供給を受け、残りの2割を大半は地方にある、さまざまな納入業者から直接仕入れる。通常、ビオコープはチラシを使った販売プロモーションを行わないが、オーガニックが普及し始めたころは、専門スーパーが新たにオープンすると、パリの新聞や雑誌でさまざまな記事が掲載されたという。昨年12月から、ひと月に一度、夕刻に店の近所で開催されるイベントへ顧客を招待するようになった。毎回50名から150名が集まるこれらの催しは参加者が多く、環境関連の映画観賞や、ディスカッションつきの講演を行っている。
店の目玉は、とびきりクールな青果コーナーである。販売する商品の一部は、販売者自身が生産している。この数年、Chalom一家は、Ecocert のオーガニック基準に基づいた1.7ヘクタールの果樹園をノルマンディー地方で運営する。彼らはまた、生産者団体 Nature & Progrès のメンバーでもある。「週末になると、家族総出でドライブがてら行くことがほとんどです。」4人兄弟のひとり、David は言う。そこに行くと、文字通り、家族で大地に帰るのだという。「果樹園では昔ながらの品種のリンゴや洋ナシを主に栽培していますが、店で販売するラスベリー、カシス、エルダーベリーやクルミも育てています。」家族で食べる野菜も自給自足し、果樹への受粉を助けるミツバチも飼育する。最近、果物の栽培面積を拡張するために、新たに4.5 ha の土地を取得したそうだ。
フランスのオーガニック市場全体に占めるビオコープのシェアは16%で、オーガニック専門小売業者のほぼ半数にあたる49%をビオコープの各店舗が占めている。9000品目が取り扱いリストに記載され、4つのビオコープ卸業者のいずれからも商品を取り寄せられる。このようなビオコープのネットワークに、合計2,800名が従事しているが、そのうち自然食品店は、権利義務の決定権をもつビオコープとの契約により、小売業者が運営を行っている。ビオコープの企業目的は、透明性、フェアトレードへの配慮、公正な生産者価格、持続可能なオーガニック農業に関する目標のもとに成り立つ。そして、ネットワークの協調精神にも触れている。
ビオコープというネットワークの起源をたどれば、1970年代に存在した購買組織にさかのぼる。1986年に設立し、はじめて設立趣意書に調印したのもこの年だった。1993年に発行されたガイドラインによって、ビオコープ内の協同組合とその他の事業所との内部関係は管理されている。2002年には、新たな規則が設けられた。協同組合が持ち株会社化され、組合メンバーは新会社 “Société Anonyme Coopérative” の株主になった。2007年、パリ南部に卸売部門を設立し、翌年には、フランスにおけるビオコープ店舗数は300を突破した。
非常に効率的な地域市場は、他に類を見ないネットワーク組織によって可能になっている。パン類や肉、野菜などの地産品を除き、地方にある4つのビオコープ卸売部門が各店舗で扱う商品の7割を供給しているのだ。ここでは、500社以上から取り寄せた、5,000アイテム以上の食品、1,800品目の自然化粧品や家庭用品を在庫する。
フランス西部では、ブルターニュ地方レンヌ付近、南東部ではカヴァイヨン、南西部ではアジャンにそれぞれ所在するビオコープの卸売部門と、フランス北部と東部をカバーするもう1つの倉庫収容面積は、合計22,600平方メートルである。同組合と協力関係にある専門卸売業者を、さらに2社紹介しよう。トゥールーズに所在する Biolidis は書籍を供給し、ヴァンヌ近郊にある Ecodis は粉末洗剤などの洗剤を卸している。店舗代表者からなる作業グループは、取り扱いリストに加えるべき製品を決定し、ビオコープのポリシーに沿って商品選びをしていく。
ビオコープは生産者と消費者をつなぐ方法として、フェアトレード活動を支援する。生産者への公正な報酬や良好な労働環境の実現は、輸入業者や認証団体との協力関係における重要課題だ。コーヒー、紅茶、チョコレート、砂糖、米、キヌア(南米原産の雑穀)やトロピカル・フルーツなどのフェアトレード製品もビオコープ店舗で販売されている。2001年には、フェアトレード認証を受けたオーガニックバナナを企業として初めて販売し、2004年からはフェアトレード統轄団体 “Plateforme pour le Commerce Equitable” に所属している。この団体は、公的なもので、政治組織としてフェアトレード活動を行う。ビオコープはまた、その他の重要な環境問題への取り組みも進め、再生可能エネルギー発電を目指すエコ発電企業 Enercoop を共同設立している。
詳細URL:www.leretouralaterre.fr
www.biocoop.fr
Organic-Market.Infoより
http://www.organic-market.info/

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